減価償却が終わると、経費が減って税金が増え、手残りが目減りします。売って出口を取るか、それでも持ち続けるか。数字で判断する方法を解説します。
償却が終わると何が起きるか
賃貸経営では、建物や設備の減価償却費を経費に計上して、帳簿上の利益(=課税対象)を圧縮しています。減価償却は実際にはお金が出ていかない「紙の上の経費」なので、税金を抑えつつ手残りを確保する働きをしてきました。
ところが償却期間が終わると、この経費が使えなくなります。すると、実際の収支は変わっていないのに帳簿上の利益が増え、税金が上がり、手残りが減るという現象が起きます。これはデッドクロスと同じ構造で、償却切れはその引き金の一つです。
保有継続の税負担を可視化する
まず、償却が終わったことで税金がどれだけ増えるかを具体的に出します。おおまかには「これまで経費にできていた償却費 × 税率」の分だけ、毎年の税負担が増えるイメージです。この増えた税負担が、今後の手残りを毎年削っていきます。
帳簿は黒字なのに、手元にお金が残らない。 この状態が続くなら、その物件は「税金を払うために持っている」状態に近づいています。
3つの選択肢
1. 売却して出口を取る 償却メリットを使い切ったタイミングは、売却の一つの節目です。特に築年が進んで今後の修繕や賃料下落も見込まれるなら、手残りが減り続ける前に売る判断は合理的です。
2. 買い替えて新たな償却を得る 売却して、別の物件(特に耐用年数の残る中古や、償却の取りやすい物件)に買い替えることで、再び減価償却のメリットを得る方法です。資産規模を保ちつつ税効率を立て直せますが、取得コストや融資の条件を含めた比較が必要です。
3. そのまま保有する 賃料が安定して手残りが十分な黒字なら、税負担が増えても持ち続ける判断もあります。要は増えた税負担を吸収できるかどうかです。
判断は「保有継続の手残り」対「売却の手取り」
結局、比べるのは今後持ち続けた場合の税引後の手残り累計と今売った場合の手取りです。Figoでは、レントロールと固定資産税の課税明細を拝見できれば、両者を並べた比較をお出しします。買い替えを検討する場合の出口価格も試算できます。詳しくは一棟収益不動産の売却をご覧ください。
