一棟マンションはいくらで売れるのか。区分マンションと違い比較しにくい一棟の相場を、収益還元・積算・成約事例の3つの物差しで自分でおおまかに掴む方法を解説します。
一棟の相場は「1つの正解」がない
区分マンションは同じ建物の別の部屋が参考になりますが、一棟マンションは立地も規模も築年も一つひとつ違い、まったく同じ物件が存在しません。だから一棟の価格は、複数の物差しを組み合わせて「このあたり」というレンジで掴みます。使う物差しは主に3つです。
物差し1:収益還元(賃料から逆算する)
収益物件の価格の土台はこれです。年間の家賃収入から経費を引いた利益(NOI)を、期待利回りで割って価格を出します。
- 年間家賃収入 − 運営経費 = NOI(純収益)
- NOI ÷ 期待利回り = 収益価格
たとえばNOIが年600万円で、そのエリア・築年の一棟に投資家が求める利回りが6%なら、600万円 ÷ 6% = 1億円が目安になります。期待利回りは築年が古いほど・立地が弱いほど高くなり(=価格は下がり)ます。 ここで使う家賃は満室想定ではなく、実際の稼働に近い数字にするのがコツです。
物差し2:積算(土地と建物の価値を足す)
土地の価値(路線価や実勢から算出)に、建物の価値(再調達価格 × 残存年数の割合)を足す方法です。金融機関が融資額を判断するときに重視するため、買主がいくら融資を引けるか=いくらで買えるかに直結します。土地値が高いエリアの一棟は、この積算が価格を下支えします。
物差し3:成約事例(実際に売れた価格)
近隣で似た規模・築年の一棟が実際にいくらで売れたか。これが一番リアルですが、一棟の成約情報は表に出にくいのが難点です。ポータルサイトに出ている「売り出し価格」は売主の希望額であって成約額ではないため、そのまま鵜呑みにはできません。実際の成約価格はレインズ(不動産会社間の情報網)に蓄積されており、ここは不動産会社に照会するのが確実です。
自分で掴んだら、答え合わせをする
上の3つでおおよそのレンジは掴めますが、期待利回りの設定や成約事例の入手で精度が変わります。自分の試算が実際の相場とどれだけずれているかは、一度プロの査定と突き合わせるのが確実です。Figoでは、レントロールと固定資産税の課税明細があれば、収益還元と積算の両面から根拠を添えた査定を無料でお出しします。売り方(買取と仲介どちらが得か)と合わせてご相談ください。詳しくは一棟収益不動産の売却をご覧ください。
