実家や親族の家を空き家として相続したとき、最初の3ヶ月でやっておきたい現状把握と判断材料の準備を、実務の観点でまとめました。
相続によって空き家を引き継いだとき、すぐに「売る」「貸す」「住む」を決める必要はありません。むしろ、判断を急ぐと選択肢を狭めてしまうことがあります。最初の3ヶ月でやっておきたいのは、判断材料の準備と、放置によるリスクの抑制です。
1ヶ月目:登記・権利関係の確認
最初に確認したいのは、登記簿の現状です。
- 登記名義は誰になっているか(被相続人のままか、すでに変更されているか)
- 抵当権・借地権・地役権など、権利関係に何が乗っているか
- 共有名義の場合、共有者全員の連絡先は把握できているか
相続登記は2024年4月から義務化されており、相続発生から3年以内の登記が求められます。期限を意識して、早めに司法書士と相談を始めるのがおすすめです。
1〜2ヶ月目:現地状況の確認と維持管理
登記と並行して、物件の現状を確認します。
- 通水・通電のチェック(長期間止まっていると、再開時に故障が出やすい)
- 雨漏り・カビ・害獣の有無
- 庭木・雑草の状況
- 近隣との境界・越境の状況
- 玄関・郵便受けの管理(不在感を出さない工夫)
放置された空き家は、特定空家等として行政から指導を受けるリスクがあります。固定資産税の住宅用地特例が外れると、税負担が大きく増えるため、放置のコストは想像以上に大きいことがあります。
最低限、月1回程度の通気・確認、庭木の剪定、郵便物の処理を続けるだけでも、家屋の劣化と近隣との関係悪化を防げます。
2〜3ヶ月目:選択肢の比較材料を集める
3つの基本的な選択肢それぞれの、判断材料を集めます。
売る
- エリアの取引相場(路線価、近隣の成約事例)
- 解体が必要かどうか、解体費用の概算
- 残置物の整理費用
貸す
- 賃貸需要の有無と賃料相場
- リフォーム必要箇所と概算
- 管理委託の選択肢
住む(自分で、または親族が)
- 住むために必要なリフォームと費用
- 通勤・通学等の生活適合性
- 維持管理コスト(固定資産税、修繕積立、保険等)
3つを並列に比較できる状態にしてから判断するのが、後悔の少ない進め方です。
3ヶ月目以降の方向性
3ヶ月の準備を終えた段階で、ご家族の状況、地域の市況、ご自身のキャパシティを踏まえて、方向性を決定します。決めきれない場合は、現状維持(適切な維持管理を続ける)も選択肢です。判断を保留するコストと、放置のリスクを天秤にかけて、納得のいくタイミングまで待つことができます。
一人で抱え込まない
空き家の相続は、登記、税務、現地管理、近隣関係、家族間の合意形成など、論点が多岐にわたります。一人で抱え込むと、判断が遅れて選択肢が狭まりがちです。
Figoでは、空き家を相続された方の最初の現状整理から、選択肢の比較、実行までを伴走しています。ご相談はお問い合わせより承ります。
