不動産を法人保有(資産管理会社)にすべきかどうか。よく聞かれる質問ですが、すべての方に有効なわけではありません。判断軸と設立後の実務をまとめました。
「資産管理会社を作ったほうがいい」と聞いて検討される方が増えていますが、すべてのオーナーに有効なわけではありません。Figoがご相談を受ける際に整理する、判断軸と実務の流れをご紹介します。
判断軸1: 保有不動産の規模と所得水準
法人化のメリットが出やすいケース:
- 不動産所得が年800万円以上(個人の所得税が法人税率を上回るライン)
- 保有物件が複数あり、賃貸事業として実態がある
- 家族(配偶者・成人したお子様)を役員として参画できる
- 給与所得との合算で高税率レンジに入っている
逆に、所得が大きくない、物件1棟だけ、家族の参画予定がない場合は、法人化のコストがメリットを上回ることが多いです。
判断軸2: 継承の見通し
法人化は継承の選択肢を広げます。
- 株式の贈与で持分を段階的に移転
- 役員報酬で家族への所得分散
- 種類株式で経営と所有を分離
- 出口戦略として株式譲渡 or 不動産譲渡を選択
一方で、「個人保有のまま相続」のシンプルさを失います。継承の複雑度と、節税メリットを天秤にかけます。
判断軸3: 出口戦略
- 長期保有・継承前提: 法人化のメリットを長く享受できる
- 短中期売却前提: 個人保有の譲渡所得課税のほうが有利な場合あり(長期譲渡5年超は20.315%)
- 売却益で別物件に組み替え予定: 法人なら繰越控除が活用できる
「持ち続けて家族に渡す」前提でないと、法人化のメリットは半減します。
設立コストとランニングコスト
- 設立費用: 株式会社で約24万円〜、合同会社で約10万円〜(司法書士費用別)
- 法人住民税の均等割: 最低でも年7万円(資本金1000万円以下)
- 税理士顧問料: 年20〜40万円程度
- 各種手続き(決算・申告)の事務負担
最低でも年30万円〜のランニングコストが発生します。これを上回るメリットがあるかどうかが、損益分岐点です。
設立後の実務
設立して終わりではなく、運営の実態づくりが重要です。
- 個人 → 法人への物件移転(売買 or 現物出資)
- 移転時の登録免許税・不動産取得税
- 賃貸借契約の更新・名義変更
- 入居者・テナントへの通知
- 金融機関の借入の取扱い(借換え検討)
ここで税理士・司法書士・金融機関との連携が必須です。
Figoの伴走
Figoでは、資産管理会社の検討を含めた継承プランニングを行っています。「作るべきか」の検討段階から、提携の税理士・司法書士と連携しての設立・物件移転までサポートします。
「ぼんやり気になっているけど判断材料がない」という段階のご相談こそ、お引き受けしています。お問い合わせよりお気軽にどうぞ。
